日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

納期管理は
残業まかせになっていませんか!

  社長さんの会社では、最近、ムダを省くと言うことで残業を極度に減少させているようです。困難があっても、納期内に間に合わせるのが担当者に与えられた仕事です。しかし、本当に残業が必要な場合もあります。納期に間に合わせる見通しが立たない時は、どんな問題が起こっているか、どのくらいの納期遅れになるかを上司に中間報告をするのが一般的なルールです。

 上司はいつも仕事の進み具合を見ているので、いちいち報告しなくても「遅れることはわかっているだろう」とか「遅れは上司が手を打ってくれるだろう」という考え方をしている社員はいませんか。もし、このような社員がいるとすれば、「納期についての考え方に甘さがある会社」と言われても仕方がありません。 


残業の定常化は
定時間業務の低効率下につながる?!
 納期遅れの報告を受けた上司は、納期に間に合わない場合の問題の大きさや損害(納入先への信用)を考慮して、次のような判断をしなければなりません。

@ 残業や休日出勤をして納期を回復するか。
A 納期を遅らせるか。
B 他の社員を応援させるか。

 残業は本来、上司から指示されて行うものです。担当者が勝手にやるものではありません。納期を遅らせても良いか、残業や休日出勤してでも完成しなければならないか上司の判断と指示を仰ぐべきです。しかし、御社では、社員数が少ないためか、全社員に仕事が任されており、納期が遅れそうになっても、上司が残業を指示するルールにはなっていないようですね。
 仕事がすべて任され、自主的な残業で納期が守られていることは大変良いことです。しかし、このような状態が通常になると残業が常識になってしまいます。社員も特に急用がない限り、手当がつき、収入が多くなるので残業するようになります。定時間内の効率が悪くなる恐れもあります。
 「お客第一」ということからして、納期順守は最優先ですが、残業を現場に任せきりにする習慣だけはやめにしたいものです。このことが納期管理が甘くなることにつながる心配があります。先ず、担当者は「納期に間に合わせるには、何時間残業する必要があります」と上司に報告し、上司は納期遅れの理由を質した上で、残業を指示するルールにしたいものです。(2007.3.4 中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
納期管理は
現場全体の業務の効率化から!

 「日本版6シグマ」にあっては、顧客満足「CD」第一で、製品や商品の品質管理のみならず納期管理も重大な課題である。
 ここでは、お客と約束した納期を余裕をもって順守できる現場の体制づくりが必要である。定常の業務時間で納期が守れず、残業が必要になるということは、関連する一連の業務間の連携に問題があるからである。
 納期順守のためには、現場全体で、それぞれの業務の効率を改善し、相互に足を引っ張り合うことのないようにしなくてはならない。この意味で、顧客満足「CD」第一の「納期順守」のための「6シグマ」にあっては、現場全体の「残業を少なくする」ための残業管理につながる「業務の効率化」という「6シグマ課題」への取組みが不可欠になってくる。


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