日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

大切なトップの取引先フォロー!

 先日、営業の方に販売促進の話を伺った際に、過去からの取引先の推移一覧表を見せて戴きました。結構大きな取引先が御社から離れていっています。
 原因は、担当者のフォローが十分でなかったからのようです。担当者からの報告を重大なことと思わなかった上司にも問題があったようです。トップも顧客先のフォローには、もっと真剣に取組まなければなりません。担当者に責任を持たせてあるからと安心してはいけません。
 取引環境は刻々と変わります。少しでも何か兆候があれば、これを社内に持ち込み、問題が表面化しないうちに手を打つことが大事です。
 


失った取引先を元に戻すのは大変!
 大切な取引先については、役員クラス、できれば社長が定期的に訪問して、会社としての対応に問題がないかどうかをチェックしなければなりません。取引先が競争相手に行ってしまっては、元に戻すのに大変な労力と時間が必要です。
 役員クラスや社長が訪問すべき取引先は、それほど多くはないはずです。例え10社や20社あっても、担当を分担して計画的に行えばフォローはできるはずです。社長さんは多忙でも、この取引先フォローの優先順位を上げるべきです。経営トップに苦手意識や躊躇があると、部下は訪問してほしいと思っていても、なかなか言い出せず、時間だけが過ぎてしまいます。
 大切な取引先を失わないために、社長さんから営業担当に日程を指定して、訪問の予定を立てるようにして下さい。特に、暑い時期や寒い時期、訪問客の少ない時に訪問すると効果があると思います。トップ自ら訪問する機会を作ってください。(2007.1.5
 中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
顧客との「親密な関係づくり」のために!

 「日本版6シグマ」の「顧客第一主義」にあって、提供する製品や商品の品質や顧客サービスの何たるかは永遠の課題である。しかし、それは顧客との「親密な関係づくり」の中で自ずと具体的になってくる。
 
 アメリカの企業では、1980年代に入って品質管理研究サークル活動が盛んになり、「TQM:総合的品質経営」へと発展し、無駄のない生産で経営の再構築が促進された。しかし、ジャック・ウエルチは、「GE版6シグマ」の中で、品質やサービスの提供には、顧客との継続的な人的相互作用「Intimacy:親密さ」が重要であり、これが見落とされていると指摘している。
 
 「日本版6シグマ」では、顧客との「親密な関係づくり」には、「GE版6シグマ」にならって、次の「六つの原則」が重要であるとしている。
 第一は、顧客を知ること。第二は、顧客の要望をタライ回しにしないこと。第三は、メルマガ等で顧客に伝えたい情報をタイムリーに発信すること。第四は、顧客にニーズを熟知し、関連する様々なサービスを提供すること。第五は、顧客の製品や商品を改善・改良してほしいという要望に応えること。第六は、顧客と末永く付き合うこと。 
 
 経営の将来を左右する重要な取引先については、社長を先頭にした「親密な関係づくり」こそが重大な経営課題である。「六つの原則」の実行によってこそ、提供する製品や商品の品質、顧客サービスの競争力を確固たるものにすることができるからである。


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