日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

購買担当者の使命について!

 製造業の購買担当の役割は、必要な原材料や部品をできるだけ安く、少ない量でも必要なタイミングで買い集めることです。とにかく必要な量を適正な価格で購入し、生産に間にあわさなければならない。これが購買担当者の使命です。 
 営業部門が受注した製品を納期に合せて、製造する為に必要な材料や部品の量を計算し、製造するタイミングに合せて適切に発注し、購入します。
 設計部門は、他社との競争に勝つために、新しい原材料や部品への切り替えを検討しています。設計部門の要請に応じて、最先端の技術を勉強し、情報も集めなければなりません。
 中には、納期の長いものもあります。生産中止になり、別のモノに代わっていたり、注文先が製造販売をやめていることもあります。そんな時でも新しい調達先を探し、適切な価格と納期で購入しなければなりません。 


購買担当の
勉強ぶり、交渉振りはどうですか!
 購買担当者にとって、購入価格の交渉は最も重要な仕事です。カタログを見て、価格表通りに購入するのは誰にでもできます。会社の利益のためには、少しでも安く購入しなければならない。取引先以外からも広く情報を入手し、比較検討し、妥当な価格水準を見極めます。市場の原材料の価格の変動にも留意しておかないと、売り手から良い購入価格は引き出すことができません。
 更に購買部門は、適切な数量の確保が大切です。安く購入するために、「どうせ使うだろう」と大量に購入し、倉庫に眠ることになったり、廃棄されることになったりしては困ります。購買担当者には、できるだけ在庫を抑え、且つ製造に迷惑をかけないことが要求されるのです。
 会社に売り込みをかける営業マンは、できるだけたくさんの量をできるだけ高い価格で買ってもらおうと一生懸命です。購買担当者は、これに負けないように準備し、交渉できなければなりません。社長さん、御社の購買担当者の勉強ぶり、交渉ぶりはどうか。御社の購買担当には元気がありますか。社長さんの目で判断してアドバイスしてあげてほしいと思います。(2006.12.20 中小企業診断士 加藤文男)
 


「日本版6シグマ」からの提案
購買担当部門も
顧客第一主義に重大な役割が!

 「日本版6シグマ」は、提供する製品やサービスについて、「顧客第一主義」のもと、品質、納期、価格の面で顧客満足に向けて、それぞれの部門が業務革新に取り組む全社的な問題解決活動である。
 購買担当部門は、製造や営業や設計部門のように、製品やサービスの品質問題に直接的にかかわっているわけではない。しかし、購買担当部門が、原材料や部品について、しっかりした品質のものを適切な価格で安定的かつ臨機応変に調達できる力を持たなければ、会社が目指す「顧客第一主義」の方針も危ういものになってしまう。
 購買担当部門も、間接的な立場からではあるが、全社的な「顧客第一主義」という「6シグマ活動」に参加しなければならない。特に取引先との親密な関係づくりという面からの参加である。
 購買担当部門としての具体的な「6シグマ課題」の設定と解決、即ち「しっかりした品質の原材料や部品を適切な価格で安定的かつ臨機応変に調達できる力をつける」ことを通して、会社の顧客第一主義に対して、重大な役割を果たさなければならない。


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