日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

御社の営業は大丈夫ですか!

  営業担当者の役割は、担当する商品を、少しでも多く、少しでも利益がでるように、できるだけ高い価格で、タイミングよく販売し、確実に代金を回収することです。営業担当者が売れない理由をいくつも並べて、売上目標を達成できない、言い訳ばかりしていませんか。
  営業部門は、自社の製品、競合他社の製品を良く知り、顧客からの品質や納期や価格に対するニーズにどう応えるか、会社としての取組みをリードできる力を持たなければなりません。 


適正販売価格を見極める力 
  価格を安くして販売することは誰でもできます。価格が高い為に売れなければ何もなりませんが、決して安売りしてはいけません。いったん商品の価格を安くすると値上げすることは、大変難しくなります。通常は、下げた価格を値上げすることは不可能に近いことです。鉄鋼やオイルの価格が上がっても、それを原料やエネルギーとし、製造する商品も値上げ交渉は、大変難しいことは良く新聞でも報じられています。
 しかし、商品の価格には世間相場というものがあります。原価が高くかかったから、高く売れるというものではありません。本当に競争力があれば、高く売ることもできますが、適正価格がどこにあるかを確かめることです。その上でできるだけ高く売るのが営業です。

適切な生産計画を立てさせる力 
  営業担当者は、市場の需要状況、自社の生産能力を正しく把握し、それに見合った販売計画を立てます。たくさん販売できる見通しがあれば、その数量に見合った生産規模のアップを提案しなければなりません。生産現場は、通常勝手に製造はしません。営業の販売見通しの情報をもとに生産計画を立てます。
 営業は過剰在庫にならないよう、良いタイミングで売ることが大切です。過剰在庫が発生したとすれば、それは市場の状況を生産現場に正しく伝えることができなかった営業の責任です。
 

売掛金を確実に回収できる力
 もうひとつ営業で大切なことに売掛金の回収があります。営業は目標とする販売金額に気を取られて、販売金額を達成すると安心してしまい、売掛金の回収がおろそかになります。製品には、すでに原材料の調達費用がかかっています。人件費は、給料の形で支払ってしまっています。売り上げが回収できないこと、資金が回らなくなることを意味します。
 大抵の企業は運転資金が十分とはいえない状態で経営しています。資金に余裕ができれば債務の返済に充てます。債務がなければ効率の良い投資に向けるのが普通です。販売金額の回収ができなければ、経営資金が足りなくなることを意味します。
 このように営業部門の責任は大変大きいのです。請求書が締切日まで届かないと、相手は支払ってくれません。請求書がないと支払いの必要なことさえ知らない場合もあります。請求書はできるだけ早く準備し、締切日に間違いなく届くように、少し早めに送付することです。請求書を出すのを「うっかり忘れた」ではすまないのです。(2006.12.5
 中小企業診断士 加藤文男) 


「日本版6シグマ」からの提案
営業部門の「4つの力」で
会社と顧客とのいい関係づくりを!

 「日本版6シグマ」の基本は、製品や商品の提供にあたり、「VOC:顧客の声」に耳を傾け、品質の維持向上、納期の順守、クレームへの速やかな対応に加え、情報の提供など多面的なアウトソーシングの活用によって、顧客と良好な関係を築くことである。
 営業部門は、こうした「6シグマ活動」にあたり、会社の窓口として、顧客と会社間の関係づくりをリードする力を発揮しなければならない。
 
 GE社の「6シグマ」をリードしたジャック・ウエルチは、強い営業部門は、次の「4つの力」を持っているとしている。
 第一は感性である。顧客の考えていることを感じる力である。顧客が何を必要としているか、顧客の視点で見ることができ、結果的に顧客の利益と会社の利益の両方をバランスさせることができる力である。
 第二は信頼性である。製品や商品の販売は、営業と顧客間、営業と経営間の長期にわたる関係づくりの一部であり、顧客、会社両方から信用してもらえる力である。
 第三は意欲、勇気、自信である。強い営業マンはビジネスを伸ばしたいという一心で、営業に身を投じ、拒絶されても挑戦し続ける強靭さを持っている。
 第4は製品や商品、これを買ってくれる顧客のチャンスを探し出すことが好きで、自由に動き、考え、提案できる力である。
 なお、「日本版6シグマ」では、営業部門が「顧客の声:VOC」を収集し、データベース化し、これにKJ法的な情報処理を加えることによって、強い営業部門づくり、顧客とのいい関係をつくるのための重点課題を絞り込むことができるプログラムが用意されている。


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