日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

面白い製造指示書
これが真の顧客満足CSですね!

  社長さんの会社は、ユニークな製造指示書を使っておられますね。とても面白いアイディアと思います。大企業にはできない中小企業ならではのことと感心しました。
  先日社長さんの会社を訪問した際、工場内で製造指示書を見せて戴きました。その時、注文先の「会社名」と発注個人名「○○様」を大きく併記してあるのを見かけました。半完成品や完成品にも同じように会社名と個人名を記載した表示板を付けていました。


製造指示書に
注文先の企業名の外に「担当者名」があれば!
 大抵の会社では、発注企業名だけを付けるのが普通です。企業名だけでは大きな組織しかイメージできません。担当者名があれば、注文を出してくれた人の顔が目に浮かびます。そうすると製品や部品に対する「思い」が入り、製品や部品を取り扱う際にも「丁寧さ」が加わり、「心」が伝わるようになりますね。その完成品を運搬し、届ける従業員にも同じことが言えると思います。
 

 発注担当者が製造工程に顔を見せることがあれば、さらに効果は大きくなります。会社名の記入だけでは他社と同じです。会社名と共に自分の名前を見つければ、発注担当者は「私のために製造してくれる」と思います。初めは、少しこそばゆい気がするかもしれませんが、発注品にさらに愛着が湧きます。製造指示書に個人名を記入することで、他の企業と差別化し、これが真の「CS」に結びついているのですね。

 「お客様を大切にする」といえば、どの企業でも「それは当たり前」との反応があります。企業はお客様からの注文がないと経営は成り立ちません。従って、注文を出すお客様を大切にすることはしごく当たり前のことで、各社当然実行していると思っています。
 しかし、本当にそれを社長さん本人も含めて、全従業員が日常的に「CS」につながる行動や態度がとれているでしょうか。
 逆に、「自分たちが本当に大切にされている」と受け止めている発注担当者はどのくらいいるでしょうか。発注元は、従来からの慣行で注文を出しているだけかもしれません。他に良い発注先がないから、やむを得ずに出しているのかもしれません。もしそうであれば、もっと気持ちよく応対してくれる企業があれば、そこに注文が移ってしまう恐れがありますね。
 「CS:顧客満足」は、世界の企業が分野、規模の大小に関係なく問われているる課題です。「CS」につながる現場の一人一人の何気ないアイデアや工夫や思いつきの確かな実行に優るものはありません。社長さんの会社の面白い製造指示書のアイディアはぜひ続けて下さい。(2006.10.20
 中小企業診断士 加藤文男) 


「日本版6シグマ」からの提案
「CS」に応える「6シグマ戦略」のもと、
自由で率直な議論でグッドアイデアを!

 「日本版6シグマ」は、企業の分野、規模の大小を問わず、「6シグマ戦略」を重視している。中でも、絶対に必要な戦略は、「よその会社も欲しいと思うような製品やサービスをつくり、お客に約束した納期と価格で届ける」ことである。
 ただ、戦略といって、実践あるのみ。その点で、むしろ小規模の会社に有利な点がある。特別なお金や知恵がなければならないというものではない。「日本版6シグマ」のための「OS:BSTプログラム」に沿って、自由で率直な議論を進めるだけである。
 トップも含め、従業員一人一人が、取引先の担当者との様々なやり取りから、即ち様々な「顧客の声:VOC」から、今自分達が実行しなければならない具体的な行動について、自由で率直な議論を通して、アイデアや思いつきを幅広く列挙してもらい、簡潔に文章化してみる。
 これらアイデアや思いつきを、一つ一つしっかり読み込むことで、それぞれ部門別に「何のために、何を、どうしなければならないか」という、戦略を実現するための「6シグマ課題」を発想することができる。
 こうした議論の中で、注文を出してくれる客先の担当者の顔が思い浮かび、「感謝とお礼の気持ちを上手く伝えるはどうしたらいいか、製造指示書に注文先の企業名の外に担当者名も入れてみようではないか」等という意見やアイデアが出てくることも、そんなにあり得ない話ではないと思われる。。


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