日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

 社長さんのお店、
「5S、CS」は大丈夫ですか?

 社長さんは、「最近若い人の足が遠のいたようだ」と嘆いておられましたね。社長さんのお店の「5S、CS」の状態は大丈夫ですか。「今更、何を言うか」と言われそうですが、結構問題が多いところもあるのです。確かに大抵の経営者に「5S、CS」の言葉は良く知られています。社長さん自身も、十分理解していると信じています。しかし、本当に実行に移されているでしょうか。

 先日、ある会合で仲間が話し合っているのを横で聞いておりました。今、商品はどこでも安定した品質のものを大体同じような価格で購入することができます。価格の面では、大きなスーパーにはかなわなくなっています。
 競争はますます激しくなって、何で特徴を出すかということで苦労されています。最近の若い人に来店してもらうには、お店の「こぎれいさ」が大切な最低の条件になっているとのことでした。 


あらためて
「5S」の重要性を考えて下さい!
 先日、社長さんの店に寄らせて戴きました。少し高いところにある商品でしたが、ほこりが払われていないものがありました。ガラス製品には、うっすらと埃がついているものもありました。
 ここ2〜3日、埃を払っていないのではないかと思われました。これ等、「5S」を理解していても実践されていない良い例です。これではとうてい顧客満足「CS」は得られません。

 昔から老舗の商店の店主は、毎朝店の前のお掃除をして、水を打ち、ハタキを持って商品の埃を払うことから商売をはじめていました。従業員のいるお店では、まずそれを徹底するよう指導し、指示しておりました。更に、天気の良い日には、舞う埃の量が多いために一日に何度も水打ちをさせておりました。当時「5S」等という言葉は、使われておりませんでしたし、「CS」という言葉もありませんでした。しかし、お客様の気持ちを大切にしていたと思います。

 日本の昔の商店街の各店では、「5S」も「CS」という言葉は知りませんでしたが、顧客満足を実践していたのです。現在の商店の経営者は。顧客満足という言葉は知っていても実践の方はどうでしょうか。
 「忙しくてそれどころではない」と手を抜いていることはないでしょうか。「販売する際に綺麗にするので問題ない」等と思ってはいないでしょうか。もう一度自分の店がどのような状態にあるか確認してみてはいかがでしょうか。

 また、お客様は商品を手に取ってみた後、元のあったところへ戻してくれるとは限りません。時折、見回って、商品が社長さんの思った通りにきれいに並んでいるか確認する必要があります。お客様の多い店ほど巡回の必要があります。
 社長さんは毎日ご多忙と思いますが、基本に戻ってお客様の気持ちになって、「5S」を実施してみて下さい。小さなことから確実に実行に移して下さい。社長さんのお店は、駅近くでとても便利ですから、必ず若い人も戻ってくると思います。(2006.9.26 中小企業診断士 加藤文男) 


「日本版6シグマ」からの提案
会社で求められる躾は
職場の整理・整頓・清掃・清潔から!

 「日本版6シグマ」では、問題解決のために、「情報の整理・整頓」を重視しています。個々の情報について、言わんとしていることを簡潔にステートメント化し、課題解決にタイムリーに活用できようファイリングします。
 こうした情報の整理・整頓に加えて、「日本版6シグマ」が「5S」、特に「整理・整頓・清掃・清潔」を重視している理由がほかにあります。
 「5S」の最後の「躾」は、従業員が仕事や仲間やお客に向き合う際に求められる「姿勢、態度」のようなものです。ここでは、日頃の「整理・整頓・清掃」という具体的な行動の積み重ねを通して、先ず、自分達の仕事場の環境を「清潔」に維持することが大事だと考えています。そうすれば、そうした環境にふさわしい働き方、即ちマナー、習慣ともいうべき「姿勢、態度」といった「躾」の部分が、職場全体に自ずと定着するようになると考えるからです。


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