日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

事務所の「5S」も大事です!

 日本の工場では「5S」は、やって当たり前になっていますが、機械設備や工具の整理・整頓は、現場の作業効率の改善の上でわかりやすい課題です。倉庫の中の原材料も製品もきっちり並べて置くと数量の管理が容易になり、ムダがなくなります。
 ところで、御社では「5S」は工場でやるものと思い込まれているようですが、事務所のロッカーやコンピュータの中の情報の整理・整頓も大切です。特に、書類はファイルされてしまうと、机の上に整然と並べられたりしていない限り、管理が難しい。事務所内をよく見ると、ロッカーの中にフアイルが積み重ねられ、年度の古いカタログや昨年の展示会の案内が一緒に放り込まれたりしています。このような状態の中から、必要な情報を必要な時にすぐ取り出すことは困難です。 


情報の整理・整頓で
業務の効率化を!
 事務所の書類は、個人管理は避けるべきです。一括管理で、何がどこにあるかをはっきりさせておき、誰でも必要な時に、必要なものを取り出すことができる状態にしておくことです。そのためには、共通の書類整理ルールを決めて、それを徹底することです。定期的に見直をして、古い不必要な書類を廃棄する作業も重要です。
 パソコンの中の情報の整理・整頓も同じです。ファイリングのルールが曖昧だと、情報量が多くなるにつれ、どのファイルにどんな情報をしまい込んだかわからなくなってしまいます。フアイルへの名前の付け方を整理することで検索も可能になりますが、統一しておかないと混乱の原因となります。出張先から事務所に電話をかけ、必要な情報をロッカーやコンピュータの中のファイルから探し出し、見つけてもらうことが簡単にできるようになっていれば大変助かります。
 社長さんにしてみれば、「そんな細かいことまで」と思われるかもしれませんが、このデータや情報の整理。整頓の徹底こそが、仕事の効率化やスピーディな課題解決に結びつくのです。(2006.8.13 中小企業診断士 加藤文男) 


「日本版6シグマ」からの提案
ファイルやコンピューター内の
情報の整理・整頓で問題解決力の強化を!

 先の「社長さんへの手紙」で、 経営トップの「6シグマ目標」を実現するために、各部門がそれぞれの業務分野ので解決すべき課題、すなわち「6シグマ課題」を設定し、解決するため「情報管理力」が求められることについてコメントしました。
 「6シグマ課題」の設定や解決には、現場が蓄積してきた様々なアイデアや情報がベーになります。現場が意見やアイデアを求められた時、これまで蓄積してきたデータや情報を確認し、自由自在に、スピーディに活用できる情報管理システムの整備が求められます。
 「日本版6シグマ」では、「情報の整理・整頓」を重視しています。テーマ別に集められた情報の全体から、そのコンテンツを簡潔にステートメント化し、ファイル名を設定します。こうしたファイルの一覧から、どんな内容のデータや情報がどのファイルにあるかを容易に検索でき、問題解決へのタイムリーな活用が可能になります。
 ここでは、先ずはロッカーの中の書類フアイルやコンピュータの情報フアイルを一端バラバラにし、そのコンテンツをもとにグルーピングを行い、グループ別にファイル名を設定する作業が出発点になります。
 


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