日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

新聞社の取材に舞い上がらないで下さい!

 先日の新聞社の取材へのご対応に偶然同席させて戴き有難うございました。しかしその際、大変気になったことがありましたので申し上げます。
 お忙しいのに、半日以上も時間を割いて対応しておられました。新聞社への対応としては、時間が長過ぎると思いました。最初から、時間を決めて取材に応ずればと思います。彼ら新聞記者は、社長さんの多忙なこと等考えてくれません。記事になればと根掘り葉掘り、何でも聞きたがります。しかし、御社にとって必ずしも都合のいい記事になるとは限りません。時には、社長さんの意図とは異なった内容の記事になることもあります。さらに、貴重な情報が漏れてしまうこともあります。
 新聞社の取材に喜び過ぎて舞い上がってはいけません。いい記事を書いて貰えるように、記者に丁寧に対応することは必要ですが、そのためには、事前に取材の目的を確認し、記事にしてほしい内容を事前に準備して置くようにしたいものです。


メディアの取材に
何もかも話してはダメ!
 社長さんにとって、新聞社の取材はいい気持ちにしてくれるし、誇らしいことかもしれません。しかし、御社にとってその時期は過ぎました。社長さんは、将来に向かって多くの難問をクリアーしていかなけれなりません。昔の成功に自己満足している時ではありません。
 

 新聞社の取材に応じる時は、何をどこまで話すのかを資料も含めて準備しておくべきです。準備をしておかないと無防備になり、質問されるまま、次から次へと話すことになってしまいます。話す内容は質問に応える形で必要且つ最低限度にしたいものです。

 特に、今回の新製品について、「偶然見つけた」と謙虚に語っていましたが、余りにも正直過ぎます。仮にそうであっても、そのように正直に話すべきではありません。開発技術者が長年苦労を重ねてきた上での発見・発明です。長い経験と探究心をもって研究してきた成果です。社長としては、簡単にできたように話しておられるましたが、他の会社にはできない大変価値のある製品なのです。偶然にできた話では、今回の新製品の価値を下げてしまいます。

 新聞社が社長さんの思い通りに記事にしてくれるとは限りません。時には、全く記事にならなかったり、面白おかしく話が作られてしまうことさえあります。「新聞社から取材が来た」と舞い上がらないで下さい。自慢話は最もいけません。つい調子に乗って、企業秘密的なことまで喋ってしまいうことになりかねないからです。社外への秘密事項を社長さんが無防備に喋ってしまっては困ります。社長さんが一旦発言してしまった内容は、社員が否定したり、修正したりできません。会社の成果を話したくなるのはわかりますが、絶対に心しなければなりません。記者には丁寧に対応しなければなりませんが、企業秘密は取材に答えずとも決して失礼ではありません。むしろ企業秘密だとという毅然とした態度の方が企業の評価は上がるものです。

 これから社長さんのところへは、新聞だけでなく、雑誌や、テレビなどマスコミからの取材も多くなると思います。発表に当たり、必要なことをきっちり整理して、冷静に対応することに徹したいものです。(2006.7.30 中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
メディアの取材には冷静に、
競争力強化につながる「何か」の発信を!

 「日本版6シグマ」は、今日の情報革命時代の経営として、HPやメールメディアでの発信を重視しています。もし、メディアから取材依頼があれば、絶好のチャンス到来です。
 会社として生き残りをかけ、さらなる競争力強化に向けて、信頼できるパートナーや取引先を
求めて、「わが社はどんな潜在的な能力やリソースを持っているか」、例えば「新規事業や新製品、新サービス」の開発の成功物語を上手く伝えたいものです。このことは、とりもなおさず、社員の仕事ぶりを生き生きと伝えることにつながります


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