日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

製造業の社長さんへ
支払手形の廃止に挑戦してください!

 金型を使用する業界では相変わらず、手形での支払いがほとんどとお聞きしました。支払う側の経理担当者も、「手形で支払分ければ損」というようなこだわりが残されているのかもしれません。しかし、金利が異常に低くなった現在、手形での支払いでその間の金利を稼ぐ意味がなくなっています。金利の高い時も、金型の見積もりの際、入金までの期間を想定して、その分を金額に上乗せしていました。数十年も前から、この慣習はやめた方がよいと提唱する経営者が表れて、月末締め切り、翌月払いに変更して現金主義に変えたところが多くなています。
 現実には、手形での支払は、資金繰りのために金融機関から簡単に融資の受けられない信用度の低い企業に少々のメリットがある程度のようです。説明するまでもありませんが受け取った手形は、期日が来れば現金化できますが、手形記載の支払期日になるまでただでは現金化できません。しかし、資金繰りなどで必要な時には、手形割引業者に金利や手数料を支払って現金化することが必要です。手形の現金化には不要な手間とお金がかかるようになっています。

  この慣習も時間をかけて手形の期間を短縮して改善していけば、なくすることができなると思います。この実態をわかってくれば会社全体で不要な管理コストに神経を使う必要がなくなります。社長さんの会社では、品質や納期の点で他社に負けない金型を製造し、供給しておられる実態があります。今後時間をかけて発注者に働きかけて多型のサイトを短縮し、この手形そのものをなくするような動きをしていただきたいものです。自社だけでなく、この慣習を持つ多くの会社から賛同を得られると思います。

  「現金支払」と「手形支払い」に見積金額に差をつけ、二つの見積もりを提示し、いずれかを選択してもらう。最初の段階では、少々抵抗があるかもしれませんが、多くは金額の小さいほうを選択してきます。この手の対策はすでに何度か使ったことがあるかもしれません。
 問題は、こざかしい購買担当者がいる発注者のいる会社で、一度契約をしておいて、金型が完成し、支払うときになって、色々理由をつけて安い金額の見積もりで手形払いを要求して押し付けてくることです。さらに始末が悪いのは、企業間の信頼関係の大事さを知らない古い考えの上司が、これを「うまくやった」とほめることです。
 
 社長さん、手形で支払う習慣は、決して良いものではありません。業過のリーダーシップをとる社長さんでないと改革は難しいのです。ぜひ支払手形の廃止に挑戦してください。


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