日本版
6シグマ
社長さんへの手紙
I
ISO9001は、
認証取得の動きを開始することが大事です!

 社長さんの会社が、品質システムISO9001の導入に向けて動き始められたとお聞きしました。非常に良いタイミングで決断されたと思います。今年の初めから、新型コロナウイルスのために経営者だけでなく、企業で働く皆さんも相当行動が制限されています。この状態がいつまで継続するのかまだ先が読めない状態です。
 この機会に、社長さんが前から懸案とされていたISO90
01の認証取得という課題に取り組むことにしたわけです。この認証取得には、5Sよりも更に書類の準備や従業員教育など時間と労力を要します。
 

 電子機器製造業におけるISO認証の取得では、各種文書の作成だけでも10センチメートルのファイルにして20〜30冊に及ぶと言われています。大型の書類ロッカーを満たすほどの大量の書類を作成しなければなりません。社長さんの会社はサービス事業ですから、それほど多くの書類は必要でないと思われますが、社長さんを中心として、品質管理責任者を選任し、基本的な考え方及び仕事の仕方についての教育訓練が必要となります。
 現在受注しているサービス事業については、ISO9001の認証は絶対必要なものではありませんが、今後の大きな受注物件への応札に関しては、その認証取得は十分評価される時が来ると思います。社長さんの品質意識と良いサービスを提供しようとする基本方針が理解され、社会的に評価される時が来ると思います。
 

 物件商売では、発注者から工事の要求内容を聴取し、見積もりを作成し、受注の確定に向け交渉を積み上げていきます。発注先の営業と良い信頼関係にあれば、金額を提示した後注文の確定(随意契約)となりますが、工事後の品質について不安材料があれば、ISO9001の認証取得による品質保証が強力な武器となります。認証取得の後には、会社の事業概要説明書だけでなく全社員の名刺等にも印刷し、会社の品質力をアピールできます。競争相手が出てきた場合には、この認証を決め手にすることができます。

 ISO9001の認証取得によって、基本的な仕事の進め方が明確になり、それを実践することで業務の品質全体を向上させることができます。先ずは、認証取得手続きを開始することです。少々時間を要しても、対策をひとつず積み上げていくことで、ゴールに向かうことができます。社長さんの会社の益々のご発展を祈ります。


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