6シグマ 社長さんへの手紙 |
「我が社の異端児がやっと退職しました」と先日の展示会で社員の方の話を聞きました。これで社内の雰囲気がよくなり、「みんなが気持ちよく働ける環境になった」と「ホッ」とした様子でした。しかし、社長さんの会社で異端児とされていた社員は、時々厳しい意見は言いますが、異端児どころか極めて常識的な人材だったようです。彼の提案や注意の内容は、他の会社では普通に行われるレベルだったともお聞きました。彼が厳しい意見を言うたびに社内ではチームワークを乱すと思い込んで嫌がっていたのかもしれません。 社長さん、もしこれが事実とすれば、喜べる事ではなさそうです。会社にとって、これはいずれボデイブローのように効いてくるにちがいありません。彼の注意は、約束を守るとか、他社では当然の報告・連絡・相談、つまり「ほうれんそう」をきっちりやろうということであったそうです。 社長さんの会社では、このような人を異端児としてみなしていたのかもしれません。水が低い方へ流れるように、職場も楽な方へ、いい加減な方へと雰囲気は変わりやすいのです。厳しく注意する人がいなくなると、例えば製品の納期遅れも何とも思わない会社になってしまいます。厳しいことどころか、普通のことも満足にできないチーム(会社)になってしまいます。こうなれば、お客様も次第に減ってくるでしょう。彼の退社の原因は、このような会社の雰囲気に嫌気がさし、自分のためにならないと判断して身を引いたのかもしれません。 社長さん、しばらくの間、社内の人たちの電話の応対や言動を静かに観察してみてください。半年前、1年前の事務所内の雰囲気と社員の行動に変化がないかどうか確かめてみてください。そして、社長さんの期待通りの行動かどうか見極めてください。 |