日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

社長さんの会社は、中小企業ですが、
イノベーションを実践し、成功させています!

 イノベーションとは、「経済成長をもたらす製品、技術、制度、組織などの革新」と定義されます。そのために「ヒト、モノ、カネ」といった資源が必要で、対応できる「とがった人材」も不可欠です。しかし、開発した製品がたくさん販売できる保障はありません。こんなわけで、不確実性が伴うイノベーションは、「我社には無理」と、踏み込まないでいる中小企業は多い。

 ところが、社長さんの会社は、多品種少量生産を主体とする電気・電子機器製造業ですが、これまで、小さいながら、さまざまなイノベーションを実践し、成功させてきています。それは、社長さんの会社は、「できないとは言わないで、先ず話を聞く」という経営方針にあるようです。


お客が持ちこむ話に
できないと言わない会社ですね!

 営業担当は受注から開発管理、生産管理まで担当する体制になっていますね。受注に際して、社内の開発技術から製造技術、生産能力まで可能性を把握し、その上で、必要に技術や材料に応じて、新しい取引先を探してくる権限もあるようです。
 発注先は、製造設備や従来の実績を見て、このレベルの課題は対応できるだろうと、新しい技術や高い精度が必要な製品の製造を打診してきます。営業担当は「できないと言ってはいけない」という経営方針のもと、要求を丁寧に聞いて持ち帰り、社内に投げかける。社内には経験豊富なベテランの人材が多く、総力を上げ、発注元と一体となった対応体制をつくる。社長さんの会社では、こうしたサイクルがちゃんと回っていますね。「当社は毎日、異業種交流会活動をしているようなものですよ」という社長さんの説明は大変印象的です。

異業種交流活動
異なった業種が集まって、各能力を出し合って問題を解決する集まり。

 社長さんの会社の「できないとは言わない」という会社方針は、確かに徹底しています。高齢者の能力をフルに発揮してもらうため、図面が読み難いといえば、ハズキルーペを購入して与える。どうしても必要な技術があれば、取引先の技術者に力を借りる、場合によっては、入社してもらうこともある。

 お客さんは、社長さんの会社の対応に期待し、イノベーションのシーズを探して、持ち込んでくれます。社長さんはイノベーションを特別視していません。何でも受け入れます。お客さんが持ち込んでくるイノベーションに応えられれば、販売については心配なしです。市場調査も必要ありません。お客さんが買ってくれるからです。当初新製品の製造する台数は少なくても、当たれば追加注文になります。社長さんは、「できないと言わない」という経営方針のもと、発注先にイノベーションを持ち込ませ、それに応えることで、さらなるイノベーションが舞い込むというサイクルを回しているのでっすね。


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