日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

社長さん!
デベイトを一緒に体験してみませんか?

最近、大学でも取り入れられるようになった講座にディベートがあります。一つのテーマについて賛成派と反対派の二つのグループに分かれて、自分のグループの主張の優位性を相手側に理解してもらうことを目的として、客観的な証拠資料を提示して議論をするコミュニケーション方法です。
 それぞれの立場で意見を述べ、相手の意見に対して論陣を張り、それを論破する訓練方法です。個人の意見とは関係なく、グループ分けされるので相手の立場を理解したうえで論陣を張らなければならない。テーマに関して相手の立場や意見をよく聞かないと相手の論理を切り崩すことは難しい。そのためには、広い視野でテーマに取り組み、客観的に論理を組み立てなければならないので貴重な訓練になります。

 外国人と比較して、チームワーク良く仕事をすることに長けているといわれる日本人ですが、ディベートに慣れていません。日本人の間の討論や議論の中で自分の意見が否定されたり、反対されると顔色を変えて、反論したり、感情的になることがあります。特に、年下のメンバーや部下から反対されると、周りから見て「そんなに感情的にならなくてもよいのに」と思われくらいになる。そして、実につまらないことで協力を拒絶したり、時には、チームから離脱することもあります。

  特に日本人は、自分の意見に対して否定や反論されるとあたかも自分の全人格を否定されたように受け取る傾向があるようです。どのようなテーマでも、広い視野で考えるといろいろな考え方があることに気がついていないのです。そのため、チームの運営を任された場合でも、異なった意見に対して抵抗感が強く、自分の考え方に固執し、メンバーから反対されたり、否定されると感情的になりやすくなります。年齢を重ねて「頑固になった」と言われるのもこれに原因があると思います。

  社会の構造が複雑になり、時代の変化が大きくなると個人で判断できることにも限度があります。一度成功したことでも次に上手くいくとは限りません。世の中には、変わった意見や新しい見方をする人がいるものです。頑固になることなく、こうした人、特に若い人や経験の違う人の意見やものの見方に素直に耳を傾けたいものです。楽しくなるだけでなく、仕事でも良い結果に結びつくことになると思います。このように提案する私も、まだまだです。社長さん! 一度一緒にディベートを経験してみませんか。


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