最新企画
中小企業の
6シグマ経営宣言

企画にあたって

中小企業は、日本経済の基盤
 日本の中小企業、特に中心的な製造業分野の中小企業は、大企業との下請け関係で、品質保証、コスト削減という役割を担ってきました。今日、グローバルな経済環境、技術環境の激変の中で、こうした従来の大企業と中小企業間の取引関係が変容を迫られています。中小企業のための「6シグマ経営」を考えるにあたり、次に松下幸之助の「日本の中小企業論」(一日一話)をご案内したいと思います。
 私は、中小企業というものは、日本経済の基盤であり、根幹であると思う。それが健在であってこそ、大企業も持ち味を生かすことができるし、経済全体の繁栄も可能になるとともに、中小企業は単に経済においてだけでなく、いわば社会生活の基盤になるべきものだと思う。
 つまり、色々な適性を持った人が、それぞれに色とりどりの花を咲かす、そういった社会の姿がより望ましいのであり、そこに人間生活の喜びというものもあるのではないだろうか。その意味において、たくさんの中小企業がそれぞれにところを得て、さかんな活動をしているというような社会の姿が一番理想的なのではないかと思う。

コロナ問題後の
中小企業の再スタートに向けて

 一方、今日の新コロナ問題で、日本の中小、零細企業の多くが、製造業分野のみならず、業種業態を問わず存続の危機にさらされています。松下幸之助の「中小企業は日本経済の基盤論」を踏まえ、新コロナ問題を、今後の中小企業の再建、再スタートに向け、中小企業としての経営のあり方を根本から見直すチャンスであるととらえ、「中小企業の6シグマ宣言」を体系化する企画に取り組むこととしました。 


中小企業の「6シグマ経営」宣言

加藤さんからの「特別寄稿」を受けて
 加藤文男さんの「社長さんへの100通の手紙」は、中小企業の「6シグマ経営宣言」に向け、大変示唆に富んだ問題を提起しています。加藤さんは、松下グループの社員として、松下イズムとも言われる松下幸之助の経営の薫陶を受けて育ちました。現役リタイア後は、中小企業診断士として、特に、日本企業の発展を現場のボトムアップ力で支えた「TQC」のプロの立場から、様々な業種業態の中小企業の指導にあたってきました。
 特別寄稿「100通の手紙」では、中小企業の社長さんに、100におよぶ具体的な課題が提起されています。それは、松下幸之助の教えにも通じるものだと思います。さらに、社長のリーダーシップと現場のボトムアップ力を一体化した、顧客満足に向け、現場の知恵とやる気で問題解決に取り組む、ジャック・ウエルチの「6シグマ経営」に通じるものがあります。

ジャック・ウエルチの「6シグマ経営」
 GE社の「6シグマ経営」を成功させ、20世紀世界最高の経営者と謳われたジャック・ウエルチの行動原理やGE社の企業文化の中から、「小さな企業から学ぶビジネスノウハウ」に通じる具体的なアドバイスを見出すことができます。
 ジャック・ウエルチは、「6シグマ経営」の推進に不可欠な切迫感と情熱、社長を先頭にした簡潔でスピーディな取組みは中小企業に学ぶ点が多いと語っています。そして、GE社は航空機や医療システムのビジネスで、世界的な規模での成功を成し遂げたが、会社が大きかろうと小さかろうと、GE社であろうと、食品雑貨店であろうと、「顧客が満足していない、商品がカビ臭い、品ぞろいが下手、見本がパットしない」では、どちらにとっても打撃だ。大事なことは、「顧客が欲しいと思う商品やサービスを買ってもらうこと」に尽きるとして、大企業も街角の小売商店のように経営すればよい。数字の桁に拘ることはない」とも語っています。

中小企業の
「6シグマ経営宣言」に向けて
 一方、ベルヒュードグループは、独自に体系化した「M5型問題解決技法」を「6シグマガイドマニュアル」として位置づけ、「日本版6シグマ経営」の普及に取り組んできました。加藤さんからの「特別寄稿」を受けて、さらには今日の「新コロナ問題」を受けて、今後の「中小企業の再出発に向けて、「6シグマ経営概論」、この「6シグマ経営ガイドマニュアル」に加えて、「社長さんの100通の手紙」を切り口とした「6シグマ経営へのアドバイス」の3部作からなる「日本の中小企業の6シグマ経営宣言」を体系化することにしました。ジャック・ウエルチさらには松下幸之助からの中小企業社長へのエールとして、お届けできればと考えています。(井上) 


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