中里さん
イタリア フィレンツエ便り

23 モザイク職人の作品は奇跡

10月16日(金)
今日はフィレンツエモザイクの工房を訪問。
語学学校の教師サムエルは「ピッティー宮殿には優れた絵画が沢山あるが、絶対見逃してはいけないのが、フィレンツエ・モザイクのテーブルの数々、それらはフィレンツエの宝石である」と熱く語りました。
天然の石を各国から集め、熟練されたモザイク職人が作りだす作品は美しさを通り越し、まさに奇跡でしょう。そんな素晴らしい伝統のフィレンツエ・モザイクを、今も継承して作りだしておられるのが、我がアパートの家主福井順子さんのご主人イリオさんである。



 

 

 

 

 

ピッティー宮殿前 の風格ある”Pitti Mosaici Decorazioni” が、イリオさんのお店です。マエストロである彼は、現在、フィレンツエ・モザイクの伝統工芸芸術を紹介する為に、世界各国を飛び回っておられるそうだ。しかし、石が命のモザイク師にとって、自然破壊と言う事で採石禁止令が出され、職人生命が危機にさらされているのが現況だそうだ。
今ある残された石だけを使っての作品作りしか出来なくなったモザイク師の不安は隠せません。工房を覗くと、モザイク師が真剣な眼差しで石を切っている。簡単そうだが、熟練の技がないと石は切れないそうだ。工房には数々のモザイク師の道具が所狭しと置かれており、地下には貴重な石の数々が保存されていた。めったに見られない工房を覗けた事は、我々にとって幸運でした。

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