中里さん
イタリア フィレンツエ便り

Jサント・スピリット教会の十字架像
  女房は手を合わせ深々と頭を下げた

10月5日(月)
今朝は、昨日のサッカー試合の興奮がまだ残っている。
少し、頭を冷やすために、教会へ行く事に決めた。

我々が住んでいる地域は、アルノ川左岸「川の向こう側」と呼ばれている「サント・スピリト地区」。下町の庶民的な雰囲気も漂う地区である。この地区には、3つの有名な教会が有るが、観光客の姿は少ない。
先ず、「サント・スピリット教会」へ出掛けた。これまでも、何回かこの教会を訪れたが、フィレンツエのガイドブックに載っているミケランジェロの「十字架像」は見ることができなかった。女房が教会に着くと直ぐに、係員にガイドブックに載っている「十字架像」を指して、「この像は何処に有りますか」と聞くと、係の人はにこやかに、扉が閉まった”聖具室”に案内して、中に入れてくれた。そこには、ミケランジェロ「十字架像」、静謐な像が置かれていた。

女房が長椅子が沢山置かれている祭壇前で、手を合わせ拝んでいると、さっきの係の人が女房の前で手を合わせ、何か頼んでいるように見えた。女房は何を勘違いしたか、祭壇に手を合わせ深々と頭を下げている。私は何か変だなと思い、ふと、注意書を見ると、「観光客は祭壇前には入らないように」とある。係員と目が合ったので、私は身振り手振りで、「ここには入ってはいけないんだよね」と、「注意書」の内容を確認した。それでも女房は、まだ、深々と手を合わせ、頭を下げている。こんな女房の写真を撮りたかったが、ここは写真は禁止だ。

サント・スピリット教会の近所に、マザッチョのフレスコ画で有名な「サンタ・マリア・デル・カルミネ教会」がある。教会の外壁を修理していたので、教会の正面は見る事が出来なかったが、中には入れた。マザツチョの「貢の銭」、「アダムとイブの楽園追放」等のフレスコ画は実に美しい。教会内も厳かで、心が洗われるようでした。

昼食は家で、女房がトルテリーニの生パスタを茹でて、自家製トマトソースをかけて食べた。


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