日本企業の「QCサークル活動」や「ZD運動」は、製造部門を中心とする組織の末端での活動でした。しかし、「グループ単位で自主的に目標を設定し、課題を設定し、その解決に向って努力をする、メンバーの個性を尊重し、個々人の能力を最大に発揮させる」という点では、「6シグマ」の人間のやる気尊重の運営に通じるものがありました。
また、「6シグマ」では、問題解決のための手法として「QC手法」や「統計的手法」の活用がありますが、これらの手法は、日本の「QCサークル活動」や「ZD運動」にあっては、自家薬籠中のものとして、自由に使いこなされています。
しかし、「6シグマ」と「QCサークル活動」や「ZD運動」との根本的違いは、経営方針や経営目標を実現するための、経営トップ主導の全社的な問題解決活動であるという点にあります。
各部門単位で、「チャンピオン、ブラックベルト、グリーンベルト」など役割分担別に責任者が任命され、それぞれに「やる気重視」、「問題解決手法」の教育・訓練が徹底的に行われ、日常の取組みにはすべて権限が移譲されています。業績は定量的に評価され、評価にストレートに反映されます。
これらは、日本企業のボトムアップを基調とした「QCサークル活動」や「ZD活動」と大きく違うところです。これまでのアメリカ企業に一般的だったマニュアルによる業務命令、指示の経営とも根本的な違いがあります。
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