読書の技法

誰でも本物の知識が身につく
熟読術・速読術「超」入門

著者 佐藤 優
東洋経済


著者の佐藤優は元外務省の主任分析官で、主にソビエト外交関連のインテリジエンス(特殊情報専門家)として活躍してきました。10年前、鈴木宗男事件に連座して辞職、現在は自らを「職業作家」と呼んでいますが、最近の執筆状況からは「知の巨人」ぶりがうかがわれます。

著者は、最近の教養ブームの背景には、「知力を強化しなくては生き残っていけないのではないか」という日本人の集合的無意識が反映しているとして、「知は力であり、力は知であり、知力をつけるために不可欠なのが読書だ」と言い切っています。

「速読法」に関心のあった私は、「熟読書・速読術『超』入門」というサブタイトルに引かれ、躊躇なく購入した本ですが、「速読法」も含めて、著者の言う「正しい読書法の鍵」について、自分にとって参考になると思われる部分を順を追って、そのポイントを紹介しておきたいと思います。

「本はどう読むか、多読と熟読の技法」から
「何を読めばいいか」まで

@目次、まえがき、結びを読み、役に立ちそうな部分を絞りこむ。
A既知の部分は読み飛ばし、未知の部分を丁寧に読む。
B速読は1ページ15秒で定規をあてながら読む。
Cシャープペンで印をつけながら読み、大事な部分に囲みをつけ、熟読する。
E基礎知識の欠損部分は大学入試センターの試験問題で診断する。
F基礎知識は教科書と参考書で身につける。

  世界史   :詳説 30日 完成スピードマスター世界史問題集世界史B(山川出版社)
  日本史   :日本史A(近過去の日本史)、貧乏物語(河上肇)
  政治、経済:詳細 政治・経済(山川出版社)
  国語    :New 出口現代文講義の実況中継(語学春秋社)
  数学     :もう一度高校数学(日本実業出版社)


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