日本版6シグマ
成果の評価について

質問
6シグマを導入にあたり、成果を上げたコストに対して、たとえば製造業であるとすると、その材料が海外から購入した原価が為替の影響でたとえ6シグマがコストをセーブしたとしても、損益がマイナスになる場合があると思いますが、本来6シグマの成果をどういう形で損益に結びつけているか、他の会社はどうしているか教えていただきたく。(H.Y) 

上記のご諮問に対するお答え
日本版6シグマに対する基本的な誤解があるようです。
日本版6シグマ活動は、経営課題としてトップダウンの形で設定された6シグマプロジェクトが先ずありきです。
プロジェクト目標として何をどのように設定するかは、まさに「Define」の問題であり、経営トップ層(チャンピオン)が決定することです。ご質問の原料購買の為替差損の結果も含めて、プロジェクトの成果目標とするかどうかはチャンピオンが決めるか、あるいはプロジェクトリーダーであるマスターブラックベルトがSSP(6シグマサブプロジェクト)を設定する際にチャンピオンに提案し、決定する性格のものです。
このような問題の取り扱いについて、日本版6シグマには、これといったルールがあるわけではありません。
日本版6シグマは、経営トップと現場のメリハリのきいたやりとりの中で、主体的に目標を共有化していくことが出発点になります。そのためにはチャンピオンやマスターブラックベルトが本来的に自らの責任で主体的に決定しなければならないことがあるわけです。そこには、当然リスクがあります。だからこそ、そのような目標や課題でいいかどうかについて、トップがコミットメントすべきなのです。ここが従来のボトムアップに依存したPDCAを中心としたQC活動と根本的に違うところです。


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