目標管理も
経営目標実現に直結していなくては!
資材部門は、購入部品のコストダウンという目標を設定していなかった。新製品開発の際に設計部門が、資材部門が推薦するメーカーの部品を採用していなかったからである。調達先の製造力、技術力、コスト力を最も良く把握しているのは資材部門であるが、資材部門の権限が弱く、調達先の選定を押し切れなかったのである。
製造部門では、設計上の欠陥から歩留まりが予想以上に悪かった。そのため残業時間で納期はカバーできたものの製造工数が異常にかかってしまい、目標コストが達成できなかったのである。
結局、部門相互間の連絡調整不十分なことが影響した。市場の価格動向を見ながら、営業部門が販売価格を設定する。販売価格を大幅に安く設定しないと完売できない状況の時には、営業部門は、市場の状況を伝えて、部品の調達価格だけでなく、製造のコストまで含めた総合的な調整をして、関連部門に、万全の協力依頼を行うべきである。
企業としての最適目標の設定には、各部門の利害関係が複雑に絡んでいることがわかる。部とか課とかあるいは個人のレベルで決めた目標では、それぞれ達成できても、企業としての目標は達成できないこともあるわけである。
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