松下でも始まった破壊と創造の経営改革

  経営構造改革コンファレンスに参加されたとのこと、お話をぜひ伺いたいものです。次回、ぜひ聞かせてください。松下でも新しい改革路線が出されました。事業部制をなくすると受け止められていますが、ニュアンスは少々異なります。長年の間に大きい成果を収め、当たり前になった事業部制を含めて松下で路線を変更するには大変な労力を必要としそうです。
 「破壊と創造」という、松下にとっては、たいへん刺激的な言葉を使って本当に実現する意気込みを表しています。今まで成功した体験を持つ組織を改革するためにはこれくらいの言葉でやらないと無理と思われます。
 今、EMSが話題になっています。一部の事業部で持っていた、工場で経営の成り立たなくなったものを転換し、EMSにする動きもあります。先日松下が発表した「超・製造業」は、このEMSを更に超えて多様化した顧客の要望や付加価値を取り込んで部品材料から組み立て、さらに、サービスまでを含む工場を目指しています。
 日本の景気の低迷の間に大きな設備投資をしてきた台湾や韓国の製造業はEMSとして、価格と納期で日本の製造業をしのぐほどになっています。労務費の増大した日本でこれらのEMS工場に対抗するには更にハイテクと精密度の高い設備への投資と短納期で勝負することが条件です。「超・製造業」は、これらEMSを更に超えるコンセプトです。このためには、ITは、欠くことのできない手段です。

 もう一つの改革、部課長制度を廃止する方針は、今年のはじめにベルヒュード研究会で議論されました「IT革命で、フラットな組織になる」路線に向って松下も走りはじめました。具体策は、これからですが、ITは、直接我々の仕事や生活に大きい影響を与えはじめています。ますます注意しておかなければならない「IT」ですね。(加藤)


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