開発されても
  使われないソフトが死屍累々となっている


 SCMシステムサービス(株)の新野昭夫です。BMM23を配信頂きありがとうございます。今回の論旨につきましては、次の点で大いに勇気づけらております。

1つはITを受容体の側から照らし出している点です。

  ITといっても受容する組織体・人の要素が重要です。企業体は個人以上に千差万別で、お仕着せのITツールがそのまま当て嵌まるほど単純ではありません。類型化して分類しても、貴分析によるM-OからM-5の類型があり、企業体には営業品目・業種の違いがある上に歴史・伝統・風習が異なる訳ですから一筋縄では行きません。今迄どこの企業にも使われなかったソフトが死屍累々となっている筈です。
 
 大企業は単純化された製品群・平均以上の上客を対象に、比較的簡単なシステム化商品分野で営業しています。中堅以下中小企業は、これに対してマージナルな限界的な雑多な商品を以ってバラツキの多い顧客・市場相手に営業しています。
 自分の経験から言って、中小企業の製品及び顧客データーベースは大企業より同一業種で10倍から100倍多いと言えます。売上パーフォーマンスから言うと一データーの経済的価値が千分の一から一万分の一の価値しか持たない。従ってシステム化出来ない侭放置されている訳です。
 
  今日、BI(Business Intelligence)とかMI(Market Intelligence)とか言って、業務側からのアプローチ・分析から入って最適の情報アプリケーションを選択する手法が脚光を浴びているのも当然です。受容する企業体の実態に合わせて、なお且つ一品料理ではなく高品質で即納できるワールドワイドに定評あるソフトを植え付けるやり方です。
 併し、この企業体の実態を目利きできるコンサルタントは極めて少なく、コンピューターメーカーや有力ソフトベンダーは、その養成を必死になってやっています。
 ただ、ともすればソフトの特性の教育に偏りがちで、受容体である企業体の組織・人事論に突っ込みが弱く、本当に役立つソフトを選択して血肉となるように移植出来ているかどうか不明です。


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