加藤文男さんの著書紹介

海外調達の教訓集
−アジア時代のビジネス新常識−

日本プラントメンテンナンス協会
(四六判 176 頁 本体価格1,400 円)

おわりに

 中国がASEAN諸国へ進出しはじめ、欧州のEU(European Union)に対してAU(Asian Union)という言葉さえ使われるようになるなど世界の情勢は刻々と、そして大きく変化しています。米国の最大輸入国は、日本から中国へとバトンタッチしました。
 本書は、大変動する国際社会を背景として、海外でのビジネのスポイントを海外調達に関する教訓集としてまとめた、いわば失敗の実例集です。それゆえ、筆者が知り得た非常に狭い範囲の体験談ということもできます。海外調達活動においておきる現象は、まったく同じ様相で繰り返すのではなく、さまざまな形をとってあらわれてくるようです。状況によっては、全く逆の現象として発生するかもしれません。異なった習慣や異文化への対応はその状況に応じて柔軟に対応する必要があります。
 筆者のこれらの経験が、国際調達の担当者だけでなく、海外工場の経営など関わる方々などが日本での経験と異なった現象に遭遇した際に、少しでも参考になり、役に立つことができれば幸いです。また、読者の方々がご自分で遭遇される失敗事例を、本書の事項に付加して記録され、より実践で役に立つ知恵のデータベースとして育てていただければと願っています。
 本書の出版に当たり、ベルヒュード国際経営研究所代表の井上仁氏及び社団法人日本プラントメンテナンス協会メディア開発事業本部の若槻茂氏に深く感謝いたします。
 井上仁氏は、筆者の海外営業や海外調達に関する経験談を「海外でのビジネス体験から」として書くことを勧められ、3年間にわたり同研究所のホームページに掲載する機会を与えてくださいました。氏の勧めがなければ、海外調達に関することもまとめる機会はなかった思います。また、若槻氏には、本書の企画プロデュースと編集全般にわたりたいへんお世話になりました。若槻氏の叱咤激励がなければ、本書は完成しなかったとおもいます。改めて両氏に御礼申し上げる次第です。              筆者

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