感性について
情報処理の視点から

盛(K・C・コンサルティング)です。
 
  設備設計技術者の教育セミナーを担当しています。受講生に実務を中心に年間の目標と実施計画を作成させましたところ、「何をしたいのか、何をどのようにしていきたいのか」が不明確なものが目立ちました。
 「今の業務に関連して、現状をどうつかんでいるのか、結論は何もつかんでいない」と言っていい。結局は彼らの「感性」の問題かと思うんですが、「感性」ということについて、どう考えますか。 

井上です。
 
  「
感性」という言葉を広辞苑で引いてみますと、「下界の刺激に応じて感覚知覚を生ずる感覚器官の感受性」また「思惟の素材となる感覚的認識」等とあります。
 そこで、盛さんが問題にしている「感性」は、課題コンセプト化のための「情報の集め方や扱い方」に対する「感性」の問題として捉えることができるのではないかと考えます。
 第一に「感性」のレベルは、ある事柄に対してどれだけ高い志に裏付けされた問題意識をもっているかに依存するものです。問題意識が強ければ強いほど、「下界の刺激に対する感覚知覚」は鋭くなって行くと考えられます。
 
 第二に「感性」のレベルは、「下界の思惟の素材」としての情報に対する率直さと丁寧さにかかっています。 あることがらに対して問題意識が強ければ強いほど、自分の枠組を越え、幅広く関心を持って、情報を集め、その意味するところを率直に丁寧に理解し、表現しようとする姿勢が強くなっていきます。
  こうした問題意識に依存した情報に対する姿勢の強さが、「感性」の鋭さにつながっていくのではないかと考えます。                     

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