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 BMM【Belhyud Mail Media】NV No.141

  2013.7.31発行
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町主導の
復興まちづくり計画の推進
原発依存の歴史からの脱却につながる!

ジャーナリストの武田徹さんは、「今回の参院選挙で原発論議が盛り上がらなかったのは、脱原発側が原発を選ばずとも地域が過疎化から脱し、豊かな生活ができる方策を提案できていなかったからだ」として、次のよう趣旨の発言をしています。

日本の原発立地の殆どが大都市中心、臨海工業都市中心の経済発展から取り残された地域だ。地元にしても事故の可能性がないとまでは考えていない。事故はあるかもしれないし、起きないかもしれない。それに対して、脱原発による地域の経済破綻のシナリオは確実な危機として眼前に立ちはだかる。だとすれば、地元は事故がないかもしれない、あったとしてもそう酷いことにならないで済むかもしれない可能性に賭けることには、それなりの整合性がある。

武田さんが言うように、全国の原発地域を巻き込んだ脱原発運動が功を奏していないのは、原発を選ばずとも、過疎地域は過疎地域なりに、経済的に豊かな生活だけでない、賢い生活をめざす方策を提案できていないからであろうか。

一方、福島は第一原発は廃炉が事実上決定しています。第二原発の再稼働もほとんどあり得ない状況にあります。福島は原発による経済的な豊かさを享受できた半面、失ったものは余りにも大きい。そのためか、福島では、自民党も民主党も原発を積極的な争点にしない戦術のようでした。そして、原発再稼働を容認する自民党が圧勝しました。

双葉町は「7000人の復興会議」を立上げ、町民の生活再建、町の復興再生に向けて「第一次復興まちづくり計画」を策定しました。次は町民の声を反映させた「実施計画」をつくり、国、県と「実行マスタープラン」を協議し、共有化することをめざします。町主導で「第一計画」の場に国や県を巻き込んだ推進体制をつくっていこうというわけです。

このことは、日本最初の原発立地地域として、国の原発政策に受け身的に依存して生きてきた歴史を克服して、町民の生活再建、町の復興再生への道筋を国任せにしないで、自らの問題として、主体的に模索していくことにつながるものです。それはまた、国の原発政策からの経済的豊かさを甘受して生きてきた歴史に決別し、新たな生き方を求めて、あらたな町づくりをめざして、「いかに考える双葉町民、いかに行動する双葉町民たることをめざすか」につながるはずのものです。

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  【発 行】 ベルヒュ−ド研究会
【編 集】 井 上   仁  

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