８ 「棚卸データ」による
　　　「生産・発注・在庫」の管理データの可視

月末の棚卸アイテムを明確にした「棚卸集計表」によって、各現場の中国人社員の責任者にとって、材料、仕掛品、部品、製品の入出庫、在庫の細部と全体を可視化することができるようになった。特に部品製造用の材料、外注部品の購入入庫、出庫、在庫状態、完成部品・製品の生産入庫、出庫、在庫状態の把握が一目瞭然となった。
「棚卸集計表」はエクセルでフォーマット化し、棚卸データを入力することによって、「部品の材料コスト、製品の部品コスト」が自動的に計算され、「４つの経営利益」も自動的に把握できるようにした。

出発点は、「組立製品」の「生産・出庫・在庫管理」である。工場から製品倉庫、物流倉庫、日本・香港・韓国・米国・欧州等の営業倉庫、顧客預け入れ倉庫等への組立製品の流れを、棚卸集計表で把握できるようにした。その手順は、次の通りである。
�@検査合格組立製品の製品倉庫への入庫高の把握
�A各倉庫の組立製品の出庫高、在庫高の把握
�B次月の各倉庫からの販売出庫計画、各倉庫の月末目標在庫計画の決定
�C各組立製品の当月生産数量の決定
�D部品の必要投入量の決定
�D部品の月末在庫高の把握、次月末目標在庫の決定
�E部品の発注入庫計画の決定

製品組立部門の責任者が、営業部門と確認した当月の製品の「販売見通し」を入力すれば、前月の「在庫高」、今月末の自ら判断した「在庫目標」をもとに、当月の「製品の生産計画」、「部品の投入・発注・在庫計画」を作成し、常に「適正在庫」を維持できるようにした。部品内製部門においても、同じシステムを確立することができた。
中国人社員責任者の、責任者のための、責任者による「会計管理システム」の仕上げである。中国人社員が責任を持って、「材料・部品の発注、部品製造、製品組立、部門損益を管理していくための管理会計システム」の可視化の完成である。

このシステムでは、中国ビジネスにあっては、次の２つの「管理データ」が最重要な位置づけにあるとし、「棚卸報告会」を定例化し、経営側と共有化できるようにた。
�@部品の材料コスト、製品の部品コスト、部門損益
�A部品・製品の生産・在庫計画、材料・外注部品の発注・在庫計画

報告会では、これら可視化された「管理データ」を相互に確認しあうことによって、�@部品・製品の生産計画、材料・外注部品の発注計画の最適化、在庫の最適化、�A部品、製品のコストダウン、部門収益改善に向けての課題を具体的に絞り込み易くした。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＢＭＭ【Belhyud Mail Media】 ＮＶ No．１０５
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１０．５．２１発行
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