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 BMM【Belhyud Mail Media】NV No.111

  2010.5.25発行
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中国ビジネスにおける
日本版6シグマ

12 「棚卸指導会」の実施

「基本材料や部品、製品の在庫の膨張」という事態の発生には、受注見通しの狂いが続いたり、部品、製品の量産技術が不安定であったという背景がある。
しかし、受注分を生産するのに精一杯で、日本人社員の責任者でさえも、「コストや在庫」を管理する手立てとなる「棚卸データ」を自ら把握し、活用するという意識と余裕と具体的な方法を持ち合わせていなかったという理由も大きかった。
事実、「棚卸作業」への取り組みはマンネリ化し、日々の「材料や部品、製品の現物管理」の精度にも、財務部門の決算業務のために報告される「棚卸データ」の精度にも問題があると指摘されていた。

そこで、先ず8つの部品製造部門から、月一回の「棚卸指導会」を実施することにした。「棚卸指導会」は、「中国人社員が『棚卸データ』をもとに、自らの責任で部門の収益や材料や部品の発注・在庫を管理できるようにする」という目的を強調して、次のフローに沿って、09年4月スタートした。

第一段階は、棚卸場所別に棚卸項目を明確にした一覧表の作成である。
この一覧表は「棚卸集計表」として、下記のフローに示す「報告書@、A」につながるよう漸次エクセル化していった。

第二段階は、「棚卸作業」の簡便化、精度アップである。
倉庫や工程に出向き、整理・整頓、先入れ・先だしの励行、日々の現物管理の精度アップと「入出庫記録カード」への正確な記録を指導した。

第三段階は、毎月末の棚卸結果の「棚卸集計表」への正確な入力である。
棚卸結果を「棚卸集計表」に入力し、「在庫の詳細、全体」を可視化できるようにした。

第四段階は、「棚卸集計表」からの「報告書@」の作成である。
「報告書@」では、「棚卸集計表」に棚卸結果を入力することによって、「部品の材料コスト、「営業粗利高」、「製品の部品コスト」、「営業粗利高」の実績を自動的に算出し、結果を確認できるようにした。

第五段階は、「棚卸集計表」と「報告書@」からの「報告書A」の作成である。
「報告書A」では、中国人の部門責任者が自らの手で、次月の部品」、「製品」の生産計画と部品、材料の発注計画のガイドラインを作成できるようにした。
特に、「在庫」の実態と「受注」の見通しを把握し、月末の「目標在庫」を決定した上で、「生産計画」を作成する手順を指導した。
さらに、当月の「生産計画」と前月の「歩留」をもとに、「基本材料、外注部品」の必要投入量を算出し、「月末目標在庫」を決定した上で「発注計画」を作成する手順を指導した。

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               BMM【Belhyud Mail Media】 NV No.111
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                  【WEB】 http://www.belhyud.com/0.htm
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                     【発 行】 ベルヒュ−ド研究会
                      【編 集】 井 上  仁


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