構造改革と日本版6シグマ

  小泉内閣の「構造改革なくして、景気の回復なし」という有名なキャッチコピーは、「構造改革は、これ以上の非効率とロスをなくすために不可欠なのだ」というごく当たり前の事実を隠蔽することになりました。


 構造改革は景気上昇をもたらすものではなく、ひどい破綻を避けるためのものだというアナウンスメントが必要だったのだと思います。
 プラスαを目指すためのものではなく、マイナス∞を避けるためのものだという宣伝戦略が必要だったのです。(村上龍)

 日本版6シグマでは、今日のグローバルな競争下では、これまでの経営や組織のあり方では無駄なコスト「COPQ」が際限なく(∞)拡大し、やがてひどい破綻が避けられなくなるという考え方が基本になっている。
 
 この意味で、企業の構造改革は、COPQというマイナスを限りなく(∞)にゼロに近づけるシステム、組織風土を構築することと言うことができます。
 新しい事業によるプラスαの創出によって業績回復を実現する路線も考えられますが、COPQを垂れ流す経営や業務の品質改善なくしては、かえって破綻を急たらしめることになります。


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