基本課題
設定ラウンド@

@住民の思いや要望をもとに、「復興青写真」を準備する。
→外部の力を取り込んで「全体復興構想」への仕上げを行う。

先のラウンドでは、避難住民の「関心事」をもとに、住民の皆さんが避難生活の安定化や自立化、町の復興に対して抱いている思いや要望を本質的に掘り下げ、その全体を一枚のインデックス図解に仕上げました。図解化は、住民の皆さんも行政に携わる職員の皆さんも、県や国の関係者も問題意識を共有化するための手段として有効であるからです。
この一枚の「図解」に、避難住民の生の声を100%反映できているわけではありません。しかし、その不十分さは次のラウンドに進むことで補完できる仕組みになっています。先ずはこの「図解」を使って、復興プロジェクト参加のメンバーが中心になって、今後の避難生活の安定化や自立化、町の復興に向けて、町として住民として取り組むべき課題を議論し、そこから「復興構想」の青写真をつくっていきます。
4月14日、国の復興構想会議も初会合を開き、被災地主体の復興を基本にして、国としての全体計画をつくることを確認しています。我々の双葉町復興プロジェクトは、先ず住民の力で復興構想のたたき台をつくり、町や県や国やボランティアの皆さんの力を取り込み、「双葉町住民のための全体復興構想」に仕上げるという一連のプロセスを支援しようと考えているわけです。

A住民の思いや要望にどのように対応し、復興を果たすか。
→復興ストーリーをつくり、町、住民としての行動課題をデータ化してみる。
先に準備した一枚の「図解」の中に、避難生活の安定化や自立化、復興への住民の思いや要望が6つとか7つのかたまりに凝縮され、かつそれぞれの論理的な関係を明確にした全体像が一目でわかるように表現されています。この「図解」を見れば、住民一人ひとりが自分が持っている個別の思いや要望は、全体の中でどのような位置づけにあるかがわかります。
住民一人一人に全体を理解してもらうということは、今後、実際的な復興に向け、全体の取り組みのエネルギーを結集する上で重要な意味をもっています。最終的に実現を目指さなければならない住民の思いや要望は何か、その実現に向けてどんなステップを踏まなければならないかについて、住民一人ひとりが自分たちの問題として考えて欲しいと思っています。
なおこの「図解」の作成は、住民の思いや要望の全体構造をダイナミックに把握し、簡潔に表現するという作業で、プロジェクトの今後を左右する重要な作業ですが、プロジェクト支援チームが責任をもっと指導、支援をしますので、心配はいりません。
勿論、今後の避難生活の安定化や自立化、町の復興については、識者に複数の青写真をつくってもらって、議論し、方向づけし、絞り込んでもらう方法が早くて、一般的です。しかし、双葉町の場合、原発避難地域という特殊性から考えて、拙速よりは少し時間がかかっても、住民が自らの思いや要望をベースにした復興青写真(たたき台)を自力でつくることを重視したいと思います。
実際的には、復興に向けた青写真をつくるために、先ずは、「図解」の中に表現されている6つ7つに凝縮された住民の思いや要望をもとに、これらの思いや要望にどのように段階的に対応していくことで、双葉町の復興を果たしていくか、そのプロセスをストーリー化してみます。
その上で復興プロジェクト参加メンバーの立場で、6つ7つに凝縮された住民の思いや要望を実現するためには、それぞれについて、町として、住民として、自らに対して、あるいは外部に対して具体的にどのような取り組みが必要かを自由に幅広く議論し、「〜を〜する」という表現の行動上の具体策をデータ化する作業に入ります。

 
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