現状把握ラウンド@

@避難生活や将来に対する住民の「関心事」を把握する。
→住民の生の声を出発点にする。
双葉町の場合、埼玉県加須の旧騎西高校で1、500人程の住民が避難生活を送っています。町としては今後も全国に散らばっている避難住民を加須に集める動きをしています。町は病人や年寄り、子供を中心とした弱者を守り、さらに避難住民の生活安定、自立化に向けて懸命に手立てを打ってきています。
ある程度皆さんの生活が落ち着いたところで、われわれ支援グループは有志と一緒になって、住民が当面の、あるいは先々の避難生活や町の復興に対してどんな「関心事」を持っているかを調査し、データ化することに取り組みたいと考えます。
「関心事」とは避難生活の下で、現在から将来に向けて、住民の皆さんが「気になること、そのままにしておけない、何とかしてほしい、何とかしたい」と思っていること等です。つまり、避難住民が当事者として、今後何らかの処置、対応、解決を必要としていると思っていることがらのことです。
世の中の識者は、TV等で具体的な復旧、復興のための考え方や構想をどんどん発信していますが、ここでは、住民の生の声をしっかり踏まえた復旧、復興構想をつくっていくために、遠回りのようですが、住民の生の「関心事」を広く集めることから始めたいと思います。

A住民の「関心事」をデータ化する。
→住民の「関心事」の全体像を把握するために
住民の「関心事」を集めるにあたっては、町に対する批判的なものも出てくると思いますので、プロジェクトの皆さんと相談し、町の行政と一体となった取り組みができればいいと思っています。
老若男女広い層を対象に、インタービユーをして「関心事」を聞き出したり、自由にラベルに書き込んでもらったりします。表現は少しくらい曖昧でも結構です。広くたくさん集めることに価値があります。
集まった「関心事」の情報については、プロジェクト支援グループで一枚一枚内容を確認し、何が「関心事」なのか、住民の誰にでもわかるように、必要に応じて記述しなおし、「データ化」します。
この時点では多分、皆さんの「関心事」はバラバラで、実行が困難なものも多いと思いますが、一枚一枚「なんために、なにをどうする」という表現の「データ化」を行います。皆さんからの「関心事」を確認し、誰にでもわかるように簡潔に「データ化」する作業は意外と難しいですが、プロジェクト活動のベースになる部分ですので、プロジェクト支援グループがしっかりフォローします。
この段階では、実行、実現の問題はあまり気にしません。このラウンドでは、住民に「関心事」を広く、自由に発想してもらうことがねらいだからです。「関心事」を広く集めるのは、住民全体が、自分たちの町の復興課題の全体像を主体的に考えていく上で不可欠だからです。

 
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