問題提起ラウンド

@復興プロジェクト立上げ支援目的の明確化
 →先ず、支援の仲間をつのり、目的を共有化する。

この問題提起は、福島原発避難地域双葉町の復興について、中学時代の友人から同級生の仲間にあった「我々にしかできない支援プロジェクトを一緒に立ち上げよう」という提案が出発点になっています。
震災発生後の避難生活も1カ月が経ちます。町、県、国、ボランティアの皆さんの手で、病人や年寄り、子供を中心とした弱者を守り、生活を安定させる手立てが次々打たれ、避難地の皆さんも、少しずつ落ち着きを取り戻してきていると思います。
福島原発危機を引き起こした地震、津波の規模は想定外であったとしても、報道で知る限り、東京電力の危機発生後の対応が整然としたものでないことは誰でもが認めることです。しかし、事故を終息させることについては、我々はただ遠くから見守るしかできません。
地域の住民がふるさとに戻って生活ができるようになるのはいつかも、東京電力や国に100%依存するだけです。福島原発避難地域の皆さんにとって、避難解除の見通しがはっきりしない、帰還後の生活の見通しもはっきりしないということで、その不安やつらさは察するにあまりあります。
避難地を訪れて避難生活の実態をみたり、知人や友人と話をしてみて思うことは、避難生活への支援の仕方を根本的に考えなければならないということです。
避難解除がずいぶん先のことになるとすれば、先の見えない避難生活がどのような危機を迎えることになるかは容易に想定できます。精神的なダメージが大きくなり、町や県、国の施策に対する不満、批判が続出したり、逆に受け身的な避難生活に安住してしまうようになることが心配されます。
こうした危機の到来は火をみるより明らかであるだけに、手をこまねいているのではなく、先手を打っていくべきです。
それは、住民自らの手で当面の避難生活や今後の町の復興について、その全体構想を話しあうことが出発点になると思います。
先ずは住民が自力で全体構想を考える。住民の要望や希望を掘り起こし、そうした住民の声をもとに避難生活の将来やふる里復興の青写真を自力で練り上げる。
不十分ながら自力で練り上げた将来構想をもって、町や県、国、ボランティアの力で補強してもらい、具体的なプロジェクト課題を設定する。
その上で、町や県、国に要請すること、ボランティアの皆さんにお願いすること、住民が自らの責任でやっていくことをはっきりわけて取り組むという、住民主体の復興体制づくりを支援できればと考えています。つまり、「住民の住民による住民のための復興プロジェクト」の立上げです。

A地域住民の有志に問題を提起する
  →先ず、住民有志を集め、打診することから始める。
現在、避難住民の皆さんは、当面の避難生活に慣れ、落ち着きを取り戻すことで精一杯だと思います。そのために、復興プロジェクトの呼びかけも、タイミングを見て有志に働きかけ、皆さんの反応を確認することから入る必要があります。有志の皆さんの声をもとに、復興プロジェクトの目的を一緒に確認しあうことから始めるということがいいと思います。
中学時代の同級生で、現在町の議員を務めている友人とは既に「住民を主体にした双葉町復興プロジェクト」について意見交換を行い、もう少し落ち着きを取り戻したところで、何人かの有志を集めてももらうことになっています。
今の段階では、有志の性格はまだあいまいです。将来、町のリーダーとして具体的なプロジェクトを推進してくれるような人材をプロジェクト構成メンバーにとイメージしていますが、最初からプロジェクトメンバーとして固定せず、我々の提案に賛同し、住民の皆さんの立場に立って、住民の目線で一連のプロジェクト活動に参加してくれる人材を広く集めるということがいいと思っています。
これから先、われわれプロジェクト支援グループが時折避難地を訪れることになりますが、その都度友人や知人に広く声をかけ、避難生活の安定化や自立化、将来の町の復興等について、皆さんの思いを打診しすることから始めたいと考えています。

 
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