福島第一原発の危機管理

E福島第一原発の危機管理経営に対する不信感
先に、福島原発事故に関連して、佐藤前福島県知事の「エネルギー関連のある安全会議に参加した際、議論が安易ではないかと問題提起したが、『三回も真面目な議論をしているのになにか?』と避難されたことがあった」という発言を紹介しました。
このことに関連して、テニスクラブの友人の樋村さんが溶接エンジニアの現役時代、同じような体験をした話をしてくれました。
「原子力機器の溶接関係の委員会に2、3度出席したことがある。自分なりの考えを発言したら、突然委員をおろされてしまった。理由をただしたところ、はじめから役人のシナリオがあり、目的に沿った結論がほしいので、君の発言のような正論は必要としない」ということだったそうです。

また、3月30日、双葉町の議員を6期務め、現在千葉に避難している友人の慰労を兼ね、新橋で会い、食事をしながら、いろいろ意見交換をしました。
彼にも、双葉町の住民として、議員として、これまで東京電力といろいろ付き合ってきた中で、東京電力の安全危機管理に不信感を抱いたことはなかったかという質問をしてみました。
彼は若いころ、東京電力協力会社の社員として働いていたこともあり、彼自身の生々しい体験を話してくれました。ここではあえて、具体的な話は省略しますが、協力会社の事故でも、東京電力側の安全対策に問題があった場合は、どんな小さな事故でも、表に出ることを避けるために、事故にかかわった人間は解雇され、場合によっては協力会社が交代されるというようなことが普通に行われていたようです。
彼が議員になってから、かつて彼自身がかかわった事故について、直接東京電力側に説明を求めたところ、報告書が見事に改ざんされていたことを確認し、謝罪を引き出したという話もしてくれました。

どうも東京電力の福島第一原発は、通常の安全対策に対して、徹底的な予防対策や緊急時対策に最優先で取り組む危機管理経営をしてきた事業所ではなかったという思いを一層強くしてしまいました。


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