原発政策と安保法案
に共通した
安部政権への懸念と反発

国民の日常が崩れゆく危機感



安保法制案のごり押し
 一方で、安部首相は、国民の安全を守るためという大義名分のもと、外国の戦争を支援する集団的自衛権の行使を認める安保法案を押し通しました。当法案への国民の反対抗議について、朝日新聞に「国会前を埋めるもの 日常が崩れゆく危機感」という、歴史社会学者小熊英二さんの投稿記事があります。
 
 小熊さんは、国会前デモの主宰者である学生団体「SRALDs」メンバーの「家に帰ったらご飯をつくって待っているお母さんがいる幸せ、・・・、こういう小さな幸せの毎日(平和)を守りたい」というスピーチを引いて、「現政権は、生活や未来の不安という国民の最大の関心事にかかわる施策を後回しにして、精力の大半を安保法制に費やしている。一部の政治家や官庁が、個人的信条や局部的利害のために、国民の声のみならず、法秩序さえ無視(憲法違反)をして暴走している」と批判しています。
 
 小熊さんの「日常が崩れいく危機感」の構図は、故郷フクシマの皆さんが国策「原発」の犠牲となって、故郷を追われ、日々の生活のよりどころだった近隣の人々とのつながりを失い、未来を奪われた、正に日常の平和を崩されるに至ったプロセスそのもです。ここで何としてでも強調しておかなければならないことは、こうした事態にあって、政府の事態収拾力は極めて貧弱で、結局国民に犠牲と諦めを強いる無責任な結果をもたらしているという現実を直視しなければならないということです。


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